聖男子マリア様!? 聖なる騎士と天の歌姫

目の前ギリギリで、それは横から飛んできた光の矢に撃ち抜かれ砂のように宙にかき消えた。


「ミカちゃん、マリア君、早くしてくださいよ!!」


ガブ様がちょっとイラッとしている口調でそう言ったもんだから。


「急がないと、私よりも先にアレに殺されるぞ、おまえ」


なんて怖いことをおっしゃる天使様。


ガブ様、ほんと笑った顔が時々鬼に見えますよ。


「わかりました」


オレ、またしても観念せざるをえない。

っていうか。

こんなやり方じゃなかったら、もっと素直に手早く『リミット解除』ってのが出来ると思うんすけど。


どうしても。
どうしても。

このやり方だけは譲れないって顔をされる。


その顔がさ。
また子供みたいでさ。


そんな拗ねることねーじゃんとか。
思わず甘い顔にオレもなっちゃうのがいけないんだけど。

なんか最近、一緒にいてつくづく思う。


天使様。
出会ったころよりもキャラが変わっていらっしゃる。


毒気が抜けたって言うの?

オレのおかげ!?
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