聖男子マリア様!? 聖なる騎士と天の歌姫
「ちょちょちょちょちょいっ!! これってどういうこと?」
質問するオレに隼人は「天薬」と答えた。
「才能爆発したんやと思う」
実戦で慣れろ。
実戦で才能爆発。
実戦で……すごいね。
「おまえが危ないとこ見た瞬間に彼女の喉が光ったんや。そしたら、これ。話す声が全部歌になって。ほれ、もう楽しんどるよ、彼女」
ふと見ると。
ラッパ四人を相手に歌ったり、歌うの止めたりしてる。
彼女の歌が流れると相手は止まり、歌が止むと動き出す。
それを見て、彼女はなんか意地悪ーく笑ってみたり、きゃっきゃきゃっきゃ楽しんでみたり。
「こわ……」
「そやろ? 敵回したら、あかんであの子」
「でも」
「でも?」
「あれってば、まぢ使えるんじゃね?」
オレの言葉に隼人もにんまり笑った。
「んじゃ、こっからはオレとおまえの見せ場やな」
ニンマリ。
ニンマリ。
「おまえたちだけに見せ場はやんねーよ」
と突然ふってわいた声に反射的に振り替えると、そこには遠山先生がちょっとムッとした顔で立っていた。
「じゃ、先生には一番おいしいのを担当してもらえば?」
またしても別の声が背後から響く。