聖男子マリア様!? 聖なる騎士と天の歌姫
「あの……大丈夫っすから、ほんと」
まいったなー。
どうにかしないとこの方、戦わないよ。
どうしたもんか……?
「天使様もなんか時間かかりすぎじゃないっすかね?」
「なに?」
「オレがいないとなんもできないんすから。こっちがヒヤヒヤ心配になるっすよ」
ピクリ……と天使様の片眉が上がる。
「オレの心配する暇あったら、カッコよく悪魔一掃しちゃってくださいよ。たくっ、人のことレベル低いだの、足手まといになるなだの言ってるくせに、今の天使様がいっちばんカッコわり―」
言い切った瞬間、天使様にものすっごい勢いで胸倉をつかまれ、息が……めっちゃ苦しいんですけど。
オレが苦しくてジタバタしていると、ニヤリと天使様は笑った。
「私への暴言は許されない」
はい。
その通りです。
「分かっているな?」
ニッコリ。
言いながらほほ笑む天使様の顔はもう、それはそれは美しくて。
キラキラ光線が目に突き刺さるようで、オレ、思わず目をつぶってしまった。