聖男子マリア様!? 聖なる騎士と天の歌姫
瞬間、何か柔らかいものがオレの唇を塞ぎ。
つーか。
胸倉つかまれてただでさえ息苦しいのに!!
なんてことすんだ、バカヤロー!!
つーか、あんた鼻高いから、オレの低い鼻押しつぶしてんですけど!!
あー。
光がキラキラ振ってくる。
それがオレの身体に浸透してくるみたいで。
めっちゃ気持ちいい!!
『ああああああぁぁぁぁぁぁぁぁ!!』
頭上から突き抜けていくように天使の歌声が聞こえる。
光の洪水の中、天使様が笑ってる。
「我は求める。汝の魂の剣を――!!」
耳元で囁く甘やかな声と同時に胸元に気配を感じる。
見開いた瞳に映るのは妖艶なる天使様の微笑。
その手元はオレの左胸を貫いている。
貫いた腕の周りは光のリングが出来ていて、まるでそこだけ時空が違うみたいに見えた。
ゆっくりと、ゆっくりと引き抜かれていくのは剣。
赤い炎を纏った天使様だけの剣。