聖男子マリア様!? 聖なる騎士と天の歌姫

サタナキアのコートの裾から滴り落ちる瘴気の塊が、ボタボタと地面に落ち、それはドロドロに溶けた人のようなものへと姿を変えていた。

真っ黒な瘴気が泥人形を作り上げているかんじだ。


それらは驚くほど俊敏な動きで地を這いながらオレらに向かって突進してくる。


「のわっ!!」


天使様に突き飛ばされ、オレは尻持ちをついた。


その頭上をそれが掠め飛んでいき、ジュッいう音を立てて、オレの髪の毛が少しだけ焼け焦げる。


「だーっっ!! なんつーことを!!」


年頃の男子の髪になんてことしてくれんだ、このヤロー!!


キッと睨みつけると、それはゆっくりと方向転換して、またこっちに突進してくる。


「うげっ!!」


今度は背後からガブリエル様に蹴飛ばされ、オレ、ヒキガエルのように突っ伏した。



間一髪。
間一髪なんだけど。


もう少しなんとかならんのかっ!!

この腐れ天使様方!!
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