聖男子マリア様!? 聖なる騎士と天の歌姫
「オレ、もう逃げませんから」
天使様の目をオレは見つめた。
キレイな琥珀色の瞳がオレを正面から見つめている。
「自分にどんな大事な使命があって、どんなふうにしなくちゃいけないのか、そんな答え、オレにはないけど……」
考えても、考えてもオレの小さな脳みそじゃ答えが出ないんだ。
「聖母マリアの生まれ変わりじゃなくて……一人の人間として。天林寺真理矢っていう一人の男として……オレはやりたいことをやろうって思います」
今までは普通でいいと思ってた。
努力しなくても並でいられるのなら、努力しなくてそのまんまでいいって思ってた。
ヒーローなんてキャラじゃない。
優等生なんてキャラじゃない。
普通に平凡に生きていればそれでいい。
でも……それってオレ自身の可能性、全部投げ出しちゃってるってことに今回気付かされたから。
これじゃいけない。
オレはオレの足で人生ってのを歩かなくちゃダメなんだって。
先生やワコちゃん、この学校のみんなに教えてもらったんだ。