聖男子マリア様!? 聖なる騎士と天の歌姫

「わざわざありがとね。なんか、気を遣わせちゃったね」


そう言うオレに「そうでもないさ」と違う声が降ってきた。


「遠山先生まで……見送りっすか?」

「ああ、遅くなったから駅まで送っていこうと思ってな」

「えっと、オレ達ワープで帰るんで。お気持ちだけありがたく」


そう言うオレに先生は「やっぱりそうか」と頷いた。



「おまえらのことだから、帰る時も後を残さないように忽然と消えそう……くらいの予想はしてたよ」


先生はなんでもお見通しっすね。



ちらっと天使様を見る。


『心残りは作るなよ』


と目が語っていらっしゃる。


しゃーねーな。

ここに気持ち残すわけにはいかないもんな。


結果は分かってるけど、言うだけは言おうかな。



「えーっとね。ワコさん」

「なに?」


疑いも何にもない目がオレを真っすぐに見つめる。


ヤバいヤバいヤバいヤバい!!
悪魔と対峙するよりもっとヤバいくらい胸がドキドキドキドキドキドキ言ってるし。


あー。
落ちつけ落ちつけ落ちつけ落ちつけ落ちつけ!!


答えは出てるだろうが!!
< 390 / 400 >

この作品をシェア

pagetop