聖男子マリア様!? 聖なる騎士と天の歌姫

「オレ、ワコさんが好きでした」

「へ?」

「あー、その。答えはいいっす。分かってるから。キミの気持ちはもうすっげーわかってるから。その遠山先生でしょ?」


遠山先生でしょ?の部分だけ、ワコちゃんの耳元で囁いた。


「二人を見てて分かったから。この絆にオレの入る余地なんてないって。でも、ほら。人を好きになる気持は自由だから。あー、その。とりあえず、気持ちはすっきりさせたくて。あー。えー。とにかく先生を逃がしちゃダメだよ、絶対に」



背後に気配を感じて振り返ると、そこに天使様がいた。


天使様の手に握られた札は、十字を切るとともに床に投げ捨てられる。



そこから光の泡が立ち上り、オレと天使様を包み込んでいく。



「じゃ、来年。また文化祭呼んでよね」


なにげなく自然に別れたくてそう言うオレに。

やっと言っていることを理解したらしいワコちゃんの声が飛んでくる。



「あのねー、私」


あれ?

声がだんだん遠くなる。


耳を澄まして聞いてみるけど、水の中にでも入っていくみたいに音が遮断されていく。
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