聖男子マリア様!? 聖なる騎士と天の歌姫
いつにない鋭い目つきになったミカエル様。
って、こっちが本来の天使様のお顔なんっすけどねー。
遠山先生の隣のワコちゃんが一瞬小さくなったように見えた。
「ま、噂だよ、噂。天使とか悪魔とかにね、興味があったらしい。襲われる前もなんか悪魔召喚の本を校内の図書館で借りているらしいことも聞いたけどね。だからって、そんな本の通りにやって、悪魔が出てくるなんてオレは信じないけど」
「悪魔召喚ですか? そんな本がなぜ図書館に?」
「ああ、百瀬はキリスト教の学校だしね。神学に関わる資料が多いんだ。キリスト教に関わることはなにも天使だけじゃない。悪魔はそもそも天使が堕天したものだというし。そういう意味合いでも、悪魔に関する本や資料は死ぬほどある。ま、その本もそんな資料の一つだったんだろうって程度だよ」
「先生は天使や悪魔の存在を信じますか?」
天使様の質問に先生は「うーん」と少し考え込んだ。
「なんでそんな質問なの?」
「神学に興味がある……と聞きませんでしたか?」
そんな天使様の答えに先生は「そうだったね」と言い、また「うーん」と考え込んだ。