王子様はイジワル転校生!
席に戻る朱里に手を振り、チラッと真ん中の列を見ると、どうしたんだろ…



俯いてる工藤君。



すると少し顔を上げ、目が合った瞬間、口元を手で覆って、目を細め肩を震わせだした。



笑ってる…


も・もしかして、み・見てた!!?



そう解った途端、一気に顔が熱くなり、私は恥ずかしくなって勢い良く向き直った。




「あははは!!」


「ど・どうした!!」


「いや!何でもね」



教室に慌てた霧島君の声と、工藤君の明るい声が響き渡る。



恥ずかしすぎる…。



それから私は、化学のテストが終わった後、教科書を読む事だけに集中した。


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