王子様はイジワル転校生!

誰ですか?

あれ?
朱里が居ない。

いつもは私より先に来てるんだけど。

私は隣の席の香奈ちゃん、友達の美咲ちゃんにあいさつして席に座った。


「ルイちゃん、昨日は散々だったね」


「あははー……昨日はありがとね」


ううんと、香奈ちゃんが微笑むと美咲ちゃんが聞いてきた。


「ねぇ、昨日何かあったの?」


香奈ちゃんは何でもないよと言って、でさ!と話を元に戻す。

昨日、香奈ちゃんとはノート後の授業中、どうしたの?の手紙をきっかけに、ノートの事やにらまれる事を手紙に愚痴ったんだ。

ほぼ殴り書きの手紙を読んでくれて、気にしないでとか、それはヒドイとか授業の終わりまでやりとりした。

このやりとりで、かなりムカつきは納まったんだよね。


その後、後ろとは何も関わりなく過ごしたけど。


「おはよー寝坊しちゃった!」


香奈ちゃん、美咲ちゃんと朱里の話してた時、朱里が教室に入ってきた。
朱里は、まっすぐ私の席に来て前の席の男子に声をかけ座る。


「朝、食べてなくって!」

そう言って、袋からパンを取りだしちぎりながら食べ始めた。


「ママが起こしてくれるまで、アラーム鳴ったの気付かなかったの!そんなことある?」


「うん、あるよ!私は、ママが起こしにきてもまた寝ちゃって、完全に遅刻ー」


「えーっ!ホントに?」


「ホントー」


朱里が口元を押さえながら目を丸める。

ちょうど冬休み前、愛流が注目されだして撮影が増えた時期。
かなりハードで大変だったんだよね。


「むふふ!そっか!今日に限って髪の毛はねてて、直すの凄く!大変だったー!!」


朱里は体育の時は1つにまとめるけど、普段は肩までの髪の毛を下ろしていつもサラサラ!

髪の毛が自分の中で上手くいかない時があると、1日ブルーになるんだって。

朱里が明日からアラーム10分おきーって、喋ってたその時…


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