王子様はイジワル転校生!
廊下に響くのは、私の足音と工藤君の大きな足の足音だけ。



『期待していいと思うよ♪』朱里が言ってたこの言葉…


本当に期待しちゃって



「お前この後、暇なのかよ」


「あ、暇っちゃー暇だけど…」


「フッ…何だそれ。じゃ、腹減ったから飯な」



何を言ってくるかと思ったら、今度は飯!!?



「おい……嫌なのかよ」


「ビ・ビックリしただけだよ!」


「それは、嫌じゃねぇって言ってんだよな」



何でそんな事…でも、真剣な目で聞いてくる工藤君に、答えはコレしかなかった。


「ぅ・うん…」



工藤君は頭を掻き、その横顔は一瞬、笑ってたように見えた。


お互い何も言わず、階段を下り、踊り場を通ってると、ふと廊下から足音が聞こえてくる。



「あっ」


「相沢……」



大和君だった。


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