王子様はイジワル転校生!
「じゃ、俺、部活だから」



あ…そうだよね。

遅れたりしたら大変だ。



「ゴメン、時間取らせて…部活…頑張ってね!!」


「謝んな。それにな〜!!」


「ちょっ…!!」



目をギラつかせ、いたずらに笑いながら乱暴に頭を撫でる工藤君。

手で押さえようとすると片方の手も頭に乗せ、両手を使ってシャンプーみたいにワシャワシャする。



「お前に言われなくても頑張ってんだよ!負けたくねぇからな」



…そっかー…サッカー部って人数多いもんね。
レギュラー争いしれつなんだ…。



「じゃ!ケガしない程度に!」


髪の毛を直しながらそう言うと、工藤君は少し首をひねり、フッと笑って、また私の頭にポンっと手を乗せた。


< 140 / 352 >

この作品をシェア

pagetop