王子様はイジワル転校生!
「おぉ。じゃ、行くわ」


「うん!じゃーね」



髪をクシャッと触り、工藤君は横を通り過ぎた。



頑張ってね!!私も頑張る!!



工藤君の背中に念を送って歩きだすと



「ルー!!」


「…ん?」


「…あの事ー…誰にも言うなよ…?」



少し…顔が赤く見える。
そんな工藤君をちょっと、いじめたくなった。



「何のこと?どの事言ってるの?」


「…ルー、てめぇ…」


「あっはは!!じゃーねー!!」



ズカズカこちらへ来そうな勢いだったので、手を振って走ってその場を後にした。



言わないよ…絶対。


耳まで真っ赤した、可愛い工藤君…。


ギュッと握られた右手は眠るまでずっとポカッと温かかった。


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