王子様はイジワル転校生!
「ここで降りるんだろ?」



舐めてたあめも小さくなって、工藤君が言った通り…


「うん」


次が降りる駅。


なんかあっという間だったな…。



そう思ってる間に地下鉄のスピードがどんどん落ちてくる。



「工藤君、合宿……」



明後日から1週間、地方でのサッカー部の合宿。


頑張って!って言っても頑張ってる・って前、言われたし……う〜ん…



「なんだよ」


「ぁ!…ケガしない程度に楽しんできてね!」



すると工藤君は俯いてフッと笑った。



「おぉ。楽しんでくるわ」


「うん!…ぁ、じゃー…」


地下鉄が駅に着いて、開閉音と共にドアが開く。



「あめ、どうもありがとう…」


「おぉ」


「じゃーね…」



軽く微笑んで私は地下鉄から降りた。


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