王子様はイジワル転校生!
……手…振ったら、工藤君…振り返してくれるかな…



そう思い立って後ろを振り向くと



「……えっ…」


「上まで送ってやるよ。もう少しって、お前の顔に書いてるからな」



か・書いてる…!?


手の事は頭の中からすっかり消え去った。



「ぃ・いいよ!わ・悪いし…っ!!」



手を振りながらも顔がどんどん熱くなってくる。


そんな私を見て工藤君はニヤッと笑った。



「いいのか本当に」



な・何、言わせたいの!?


早く何か言わなきゃ…っ!!


でも、言葉が出てこなくて口をアワアワさせてると、工藤君はフッと笑って私の頭にポンっと手を乗せた。



「そこまでなって言っただろ?始めからそのつもりだったから送らせろ。少しでもお前と居てぇんだよ」



そう言って工藤君は手をギュッと握ってきた。


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