王子様はイジワル転校生!
「あ…悪い…」



お兄ちゃんは顔を上げ、手で涙を拭うと突然抱きついてきた。



「ぉ・お兄ちゃんっ!!髪が崩れるー!!」


「あー悪い悪い」



お兄ちゃんは離れると、ニコーと満面の笑みを見せた。



「何?お兄ちゃん…」


「お前の本音が聞けて嬉しくてな。何かいつもと違うのは気付いてたんだぞ?でも…よしっ!!俺も腹をくくったぞ!!」



何か…お兄ちゃんはお兄ちゃんで、凄く悩んでたみたい。


でも、よかった…。



「ルイっ…!じゃない、愛ちゃんか…。そろそろ休憩終わるから準備してな?」



お兄ちゃんの変な口調に笑いながら返事した。


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