王子様はイジワル転校生!
私は、音を立てないよう急いでソファーに向かい、クッションを2つ取って、1つをお姉ちゃんに差し出した。



「……ぷっ!くふっ!」


「笑ってる場合じゃないでしょっ!!」


「はいはい…。アンタはここに居て」


「私も行く」



2人でスーっと、すり足しながらリビングのドア前にきた。


お姉ちゃんも私も、お互い、これ以上、行かないよう手でガードする。


携帯を持ってる左手が凄く汗ばんでるのを感じたけど、そーっと顔を出し玄関を見た。


擦りガラス越しに黒い人影がうごめいている…。




――ガチャッ


来たっ!!


お姉ちゃんが私の手を引っ張り後ろに立たせた。


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