王子様はイジワル転校生!
始めはボールの取り合いだった。


でも、もう目が離せない…。


ボールを奪おうとプレッシャーをかけたり、パスを貰おうと下がったり…。


ボールを見ながら、上がったり下がったりを繰り返してる工藤君。


もう、髪の毛が汗で少し濡れている…。



「あっ!いいパス!」



トップ下のキャプテンが蹴ったボールに朱里が叫ぶと、霧島君がスッと上がってきて私達の横を駆けていった。霧島君の表情は真剣そのもの。



「霧島くーん!頑張れー!」



抜いた霧島君はコーナーの辺りからゴールに向って、高いパスを放った。


そのパスは工藤君の…



「いけーーーっ!」


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