王子様はイジワル転校生!
「あっ!!」



でも、工藤君が放ったシュートはキーパーの咄嗟の反応で弾かれてしまった。


そのボールを左足でゴールに収めた霧島君。


うわー!!と、歓声と拍手が起こる中、やったー!!と朱里がニコニコ笑顔で抱きついてきた。



「やったねっ!!1点だよ!」


「うん!やったね」



でも、素直に喜べない…。



点を入れた霧島君は、キャプテンや他のメンバーに頭を撫でられて凄く嬉しそうだけど、工藤君は……


悔しんだろうな…。



11と書かれた背中がそう言っている…。


霧島君の肩をポンッと叩き、センターラインに戻る工藤君の目はやっぱり鋭いままだった…。


< 200 / 352 >

この作品をシェア

pagetop