王子様はイジワル転校生!
その先には、大学生ぽい、とても優しそうな人がいて、微笑みながらペコッと頭を下げてきた。


頭を下げると、木下さんが、ね?と笑う。



「最近…ちょっと、気になってきてるんだー」


「ふふっ。そっか!」


「うん!相沢さん…でもね?」



急に改まった態度の木下さんに、また心臓がドキドキしてきた。



「待ってばかりじゃダメだよ?その間に工藤君、他に好きな人できちゃうかもしれないしさ」


「えっ!そんな…」



――待ってる訳じゃないよ。


そう口にしようとしたら、木下さんは可笑しそうに手を口に当てて笑う…。



「なーんて!工藤君に限って、そんな事ないと思うけどねっ!
じゃ、楽しんでね。相沢さん本当にありがとう。工藤君にもそう伝えて?」



私もお礼を言って、うん・と頷くと、木下さんは手を振って、優しそうな彼の元へ駆けていった。


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