王子様はイジワル転校生!
その間、手首にグッと力が込められ、本当にズキズキ痛くなってきた…。


連れて来られたのは、本堂脇のとても静かな所。


同じ神社の敷地内とはとても思えない…。



「何だよお前!何、言われたんだよ。何があったんだよ…」



心配げに私を見つめる工藤君。私は、その表情をジッと見ることができなくて、目を逸らした。



「だから、何も言われてないし、何もないよ」


「だったら、ちゃんと俺の目ー見て言え」


「――さっきから、しつこい。何もないって言ってるでしょ」



そう冷たく言うと、工藤君は目を見開き、すぐに目を伏せた。


それと同時に、手首に込められた力も緩くなる…。


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