王子様はイジワル転校生!
これでいい…。


これで、帰ればいい…。



「私ー……」



えっ……足が動かない。


ちょっと…!!お願いだから…!!帰らなきゃならないの!!早く動けっっ!!



「……ルー」



――遅かった…。



「俺の事で何か言われたんだろ?そうなんだろ?」



何でそんな……。

……こんな私に優しい目を向けられるのよ…。



「…だから…!!何度も言うけど、何も言われてないって!」


「だったら、何で急に…おかしいだろ…」



そんなの自分が一番、良く解ってる。


私と工藤君……お互いに気持ちを口に出して言ってはいないけど、工藤君は私の気持ち、もちろん解ってるよね…?


切なそうに私を見つめる工藤君に私は口を開いた。


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