王子様はイジワル転校生!
でも、次の瞬間…スッと工藤君の目線が下におりた。


そして、片方の手で私の頬を軽く摘まみながら



「…嫌か?」



と、真剣な眼差しで聞いてきた。
それに対し私は、首を横にブンブン振って、必死に否定する。



「ううん!全然嫌じゃないっ…!ただ……そ・そのっ…いっぱい、いっぱいで…」



すると、工藤君はイタズラに笑いながら、じゃー・と、私の手を自分の脇腹に当てた。



「…早く慣れろ」


「ぅ!?」



そう言ってギューッと強く抱き締めてくる工藤君。



……何か私って、されるがままだ…。

自分が幼稚園くらいの子供に思えてくる。



……でも、ゆーっくり工藤君の背中に腕をまわしてみた。



…ぅわ……広い…。


胸もだけど、背中も広い…。


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