王子様はイジワル転校生!
でも、今日の事は夢じゃない。


学校で抱き締められた事も、川で可愛いって言ってくれた事も、人生、初の初キスも…。


この胸のドキドキも本当に本当。


……夢じゃない。




顔を上げると工藤君は、おっ、と小さく笑顔を見せた。



「今さら無理はお断りだぞ」



本当…容赦ないよ…。


思わずクスッと笑ってしまう。



「言わないよ。…する」


「じゃ、くれ」



く・くれって…!!


真剣な眼差しで言われ、また心臓が早くなってきた。


はぁ…と一息吐いて、工藤君に顔を近付ける。



………目って、いつ閉じればいんだろ…。


チラッと工藤君を見ると、面白いものでも見るように軽く微笑んだ。



うぅっ…その顔も反則…。
…もう、いいや!なるようになれっ!!



えいっ!

―チュッ…。


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