学園バンビ


だけど、俺がどうこう言って解決なんてきっとしない。

それに蒼乃はこういうことについて手を貸したりされるの嫌がるだろうし。

俺は蒼乃から携帯を貸してもらい、自分のメルアドと携帯番号を入力する(アドレス帳が少ない事にびっくり)。


それから後でメールをして、と告げると、彼女はぽかんとした顔で此方をみた。



「お休み、蒼乃」



部屋を出る時に蒼乃の顔を見ると、まだぽわんとした顔をしていた。



ああ、なんか幸せだ。



そんな気分を抱きながら部屋を後にする。

自分の部屋に帰り、梅にちゃんと謝罪出来た事と告白をしたことを告げると、嬉しそうに複雑そうに笑ってた。

……男の勘として、梅は蒼乃の事が好きなんじゃないかと思ったけど、ライバル宣言されるのは怖いので黙っておいた。




ベッドに突っ伏して、蒼乃からのメールを待っていた俺が、いつまで経ってもこないことに悲しんでため息を数十回ついたのは言うまでもなかった。






< 11 / 22 >

この作品をシェア

pagetop