小春日和
「ハルちゃん気づいてた?あなた私たちの前で笑ったことないのよ!少なくとも私たちバスケ部員はあなたの笑った顔見たことないわ!」
そうなの……?
私…笑ってなかった…。
別に楽しくない訳じゃないの。
ただ……笑い方を……忘れてしまったのかもしれない。
はっきりとした答えが分からない。
けど……いつの間にかこれが当たり前になっていた。
気にしてなかった……。
これって…いけないことだったのかな…。
「別にいけないことではないのよ?」
「!!」
私の思っていたことが分かったように穂波先輩は答えた。
「ハルちゃんの好きなようにすればいいわ!私が口出しする権利ないもの。……でもね、これだけは言わせて!!」
穂波先輩は少しの沈黙のあと、続けた。
「……自分の気持ちに正直になって!じゃなきゃ…後悔する。」
後悔……
今まで言いたくても言えなかった…
そのたびに心の中に残る――後悔
傷つきたくなくて、
泣きたくなくて、
ずっと我慢してた…
私の夏目先輩に対する気持ちは…どうなんだろう…