小春日和
俺はその時、ずっと部活に行ってなかった。
っというか行けなかった。
先輩達の最後の試合を俺はめちゃめちゃにしたから。
シュートは入らない、パスしてもカットされる、ドリブルしてもすぐに捕まる……
そんな最悪な状態だったのに、俺は意地張って無理にでも試合に出てた。
試合のあと、先輩達は表では慰めてくれた。
でも、裏では……
◇◇◇◇◇◇
「あいつ…琉架!何で監督交代させなかったわけ?」
「さあ?どうしても琉架出したかったんじゃねぇの」
「あ~あ~いいよな、監督のお気に入りは!」
「今日の試合負けたの全部あいつのせいじゃねぇ??」
「全然ダメだったよな」
「あいつのせいで負けたようなもんじゃん」
◇◇◇◇◇◇
俺が部室の前にいるって知らずに、まあまあ気持ちいいほど俺の心はきれいに傷つけられたよ。
俺のこと良く思ってない奴がいることは知ってる。
俺が全部悪いのも知ってる。
でも、さすがに…ちょっとしんどかった。