小春日和
「何…で?」
「俺、部活ない日ここに来て練習してんの!高校入学したときから俺も通ってたんだけど、なかなか忙しくて来れなくてさ!」
夏目先輩は生き生きと話し出した
「6月頃に久々に行ったら先客いてさ、帰ろうと思ったんだけどその人のバスケすげぇ上手くて!もう釘付け(笑)」
「シュートフォームとかめちゃくちゃ綺麗で一瞬のうちに憧れた」
「でも、いつの間にかいなくてさ、そのあとも何度か来たけどいなかった」
「……」
「ずっと探してたんだ…」
「……」
「どうしてもダメ??」
「私がいたって一緒にプレーできないのに、何で??」
「勇気出る!あのときも勇気もらった」
「私はもうバスケ出来ないの!!見てるだけはつらいの!!やりたくなるの!!」
「やりたくなったらここ来ればいいじゃん!俺も付き合うよ!」
「まだ分からないの!!私はもう………
バスケ
忘れたいの!!!!!」
必死だった
あのままじゃ、先輩の言葉に誘われてしまう
久しぶりにあんな大声を出した
息があがって苦しい
でも、苦しいのは息するだけじゃない
胸が苦しい……