小春日和



「………わからない」


「一ノ瀬拓也」



一ノ瀬君はボソッとまた言った。


「俺の兄貴」


「え?!…あっ!!」






―――…ズキッ!!!





「いっ――…!!!」



思い出したと同時に膝の痛みに再び襲われた。



痛い……けど、思い出してきた気がする。
もう少し何かヒントが……


「ヒントはもう終わり!!あとは自分で考えろ!!」


教えてもらおうと一ノ瀬君の顔を見るなりそう言われた。


そして一ノ瀬君はまた私に近づき耳元でこう言った。






「お前が何したか自力で思い出すまで俺の復讐は終わらねぇよ?……いややっぱ違う、俺の気がすむまでにしよ♪覚悟しとけ……」



「………」



一ノ瀬君はそのまま帰っていった。








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