小春日和
「正直心配なんだ…僕は医者だから家にあまりいないし、妻も忙しくてかまってやる時がないんだ。おまけに娘の面倒も頼みっぱなしで……」
夏目先輩って妹いたんだ…
「どこか我慢してるとこがあるから…」
「…誰だって弱いとこは見せたくないですよ!っと言うか…見せるものじゃないと思います」
「………」
「夏目先輩は特に意地っ張りなとこありますから絶対これからも弱みは見せないと思います。それをプラスにとらえるか、マイナスにとらえるかは人それぞれですけど……」
「プラスかマイナス…」
「陰で支えていれば、つらい時に必ず寄りかかることができるとこがあれば、何も心配することありませんよ!」
「……想像以上な子だ…君は…」
「え?」
「いや、何でもないよ!ありがとう」
「あ、はあ…」
何て言ったんだろう…
お礼言うようなこと言ってないんだけどな…
コンコン
ドアの叩く音が聞こえた
「親父、まだ?」
「ああ、今!……小春さん、さっきまでのことは内緒ね!!」
「あ、はい!」
夏目先輩のお父さんはウインクをして部屋を出ていった。
そのウインクもまた夏目父だからこそ似合う。