小春日和


「ハル?入るよ…」


夏目先輩はそう言って静かに入ってきた。



何か…久しぶりだな…




「大丈夫か?」

「はい!もうすっかり!」

「ホントかよ。お前の大丈夫は信用ならねぇからな」

「ホント大丈夫ですよ!!それより…今日部活は?」

「昨日今日と休みだよ!」

「休み!?」

「ああ…」




うっっっそ――!!!
貴重な休みなのに、どうしてこんなのにかまってんのよ!!





「どうした?ハル」

「どうしたじゃないですよ!!何してんですか!」

「はぁ?」

「貴重な休みなのに私の看病なんかして!!」

「いいよ、別に!確かに休みは貴重だけどハルをほっとく訳にはいかないからな!!」

夏目先輩はいつもとは違った雰囲気で話している。
私は、今日の夏目先輩に何故かすごくドキドキした。


「なあ……」


突然、夏目先輩は私を直視して言った。


「……親父と何話してた?」

「何って…昨日のこととか」

「昨日のことって?」

「え?いや、夏目先輩がここまで連れてきてくれて看病してくれたとか…」

「あとは?」

「それだけですよ!」

「……にしては話長かったな」

「そうですか?」

「うん!…で?」

「どうしてそんなに気になるんですか?」

「ハルのことだから!!」

「/////」




な……何か…熱い!!
顔が熱い!!
熱また上がってきた??



「顔赤い…」

「熱いんです!!ってか急に変なこと言わないで下さい!!」

「あ!!なるほど、照れてんだ!!」

「ち―が―い―ま―す―!!」

「俺は、本気!!」

「!!!」

「本気でハルのこと好きだから…」

「………」


私はどう答えればいいのか分からず黙っていた。
その場から逃げ出したかったけど、ここは夏目先輩の部屋。



今返事しなきゃダメなの?
これって…
どうすれば……
どうすれば傷つかない?
何て言えば傷つかないの?

私……夏目先輩との今の関係を崩したくない…!!

どうしよう…



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