小春日和
「ハル!今日学校休めば良かったのに!」
「別にもう熱下がったし平気ですよ」
暗い夜道を二人並んで歩く。
何か緊張する…
いつもは緊張なんかしないのに…
沈黙が続き、私はそれが耐えきれなくなりとにかく何か話そうと必死で考えた……結果、
「あの…あのとき言い忘れてたことあるんですけど…」
「何?」
「ありがとうございました。看病してくれて…」
「ああ、いいよいいよ!!言ったじゃん、俺!ハルのこと好きだって!!」
好き…
初め言われたときと違く聞こえた。
「あ…あ~っと……何かお礼したいんですけど、何がいいですか?」
「お礼?」
「はい。お金があまりかからない程度に…」
「……」
夏目先輩は何やら真剣に考えている。
「今すぐじゃなくても、別に…はい。」
「……」
「あの~夏目先輩?」
「ん?ああ…」
「決まったら言ってください!」
「分かった。」
そう言って私は夏目先輩と別れた。