刹那よりも限り無く
…誰か私を
呼んでいる


アミル…


……アミル…あみる…


「あみる!…あみる!」


鉛のように

重い瞼を
押し上げる


「…ううん」



白い天井
白い壁
腕につながれた点滴


病院のベッドに
寝かされていた


「んも~!あみるったら今時、脱水症状、栄養失調なんて、ダッサ!」


傍らにはどうやら仕事から抜けてきたスーツ姿のレイ子がいて


足を組んで
毒づいていた


「…生きてた」
私は言った



すると

キレイで大きい目

スラッとのびた鼻筋


レイ子の美人な顔が


次第にゆっくりと

くしゃくしゃに…

なって


大粒の涙をぼろぼろ流して


私に抱き付き

号泣した




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