刹那よりも限り無く
彼は
こちらに歩いてくる



私のいる方は
病棟にあがるエレベータがあるので


誰かのお見舞いだろう


そう思った


「ユウスケ遅いな…」

私は思わずつぶやいて
バッグの中の携帯を探した


その時
足元に置いていた荷物を

誰かが
ひょい と持ち上げた


ユウスケかと思い
顔をあげると


さっきの
キレイな男の子が
不機嫌そうな顔をして



私の荷物を持っている



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