刹那よりも限り無く
私は
いつものようにジョギングにでて


一丁目の角を曲がる


白くたちこめた
朝霧のなか


タカシのシルエットが

ぼう、と見える


「タカシ!」


私がタカシに辿り着く前に

タカシの影が走り始める
…おかしい
全速力で走っているのに追いつけない


いや
追いつける速度じゃない

「タカシ!待って!」


タカシは走り続ける



そして影が
見えなくなった


息が切れて

もう走れない


…前は霧でよく見えない


「…タカシ?どこに行ったの?」


その時 突然

目の前に


タカシのうなじが
にゅっとでてくる


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