刹那よりも限り無く


…久し振りに自分の部屋に

いい香りが広がる



準備はできた

夜8時


ふと時計を見て思った



…本当に来るんだろうか


待ち続けて10時


私は時間が遅くなるにつれて


気持ちがしぼんでいくのがわかった


「何やってんだろ、私」

あれは
タカシじゃない


顔だって違う


…馬鹿だ
何を浮かれてたんだろ

からかわれてたんだよ



テレビでお笑い芸人が
大笑いしている

まるで
自分が笑われているように感じて


…寂しい

寂しくて
膝を抱えて
涙をこらえた



…その時



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