刹那よりも限り無く


「ねぇ。なんかあった?」


はっとしたら

心配そうに顔をのぞきこむタカシ


「なんにもないよ」


作り笑いは
…バレちゃうかも


またいつものように
仕事帰りに


タカシは家に来てる


「…ん。ならいいけど
…」


そう
言いながら
何か言いたそうな彼


「…なに?」

尋ねると


「ぼんやりしてるから…俺のことほったらかし」

頬杖をついて
そっぽ向いてる


トクって
心臓が鳴る


だって
可愛い


それが
嘘だとしても


私には
愛しい



愛しいんだ



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