刹那よりも限り無く
久し振りに実家に帰ると
康子さんが
私の顔を見るなり
「母子そろって
恋がうまくいってるみたいね」
と言った
また、何か見えたに
ちがいない
「あみる帰ってたの!
今日は母さんが料理当番なの
食べてくでしょ?」
母が台所から
ひょいと頭を出した
鼻歌まじり
「康子さん
お母さん何かいいことでもあったの?」
私は康子さんの
耳元で聞いた
「ここだけの話なんだけどさぁ」
康子さんが顔をよせて
コッソリと話出した