刹那よりも限り無く


「死ぬの死に、線で死線。

こうやって
すぅーっと

顔に薄い線が見えるの
ブラインドみたいにね


私の場合
それが出た人は
早かれ遅かれ…

亡くなってしまう」



康子さんは
顔を人差し指で
なぞる真似をした


「なんかその力…
怖いね」


言っちゃいけないかな?と少し思った


「歳をとるにつれて
段々見えなくなってきてるんやけどね」



康子さんは微笑む


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