恋する二人の女の子 ─夢へ続く道─
そろそろ予鈴の時間に風鈴のような静かな音が流れた。



「あ、戻る時間だ」
「え?」
「去年からこの風鈴の音が予鈴の合図なの」
「そうなんだ」





祐希がそう説明してくれると、放送が流れた。



「新入生の皆さん。ご入学おめでとうございます。生徒会です。本校では昼放課の予鈴及び清掃終了時にはこのような風鈴の音が鳴ります。この音は多少、うるさい所でも聞こえますが、あまりうるさいと聞こえません。なので13時15分頃には静かにこの音を楽しんでみて下さい。ちなみにこの音は何種類かあり、一年の内に全ての音を鳴らします。以上で生徒会からの連絡を終わります。本鈴にある音を鳴らします。それが鳴ったら各クラス、体育館に集合して下さい」






そして鳴ったのが風鈴による校歌だった。
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