恋する二人の女の子 ─夢へ続く道─

裕太を巡る恋

お昼休み。



里中先輩と佐野先輩がやってきた。




「松瀬さん」
「はい」
「ねぇ、さっき話してた鮎川君ってもしかして鮎川祐太君?」
「そうですけど、どうしてですか?」
「やっぱり、実は私達通ってるんだよ」
「えっ?そうなんですか?」
「うん。鮎川君って教えるの上手でしょ」
「はい。とても」



しばらくの沈黙の後、里中先輩は口を開いた。





「…ねぇ、鮎川君のことどう思ってる?」
「えっ?どうって」
「異性としてどう思ってるの?」
「私は友達としか見てませんけど」
「ほんとに?」
「はい」
「安心した」
「えっ!?もしかして先輩…?」
「うん。絶対、誰にも言わないでよ」
「わかりました」




里中先輩が恥ずかしそうに言った。






「告白はしたんですか?」
「できないよ」
「早くしたほうがいいですよ」
「やっぱりそう思う?」
「はい。頑張ってください」
「そうだよね。ありがとう」





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