欲張りなすき・・・
美月が来る授業のない日は、翔は時間を作っては愛莉に会いに行った。

「愛莉ちゃん、また彼氏が来ているよ」クラスメイトが愛莉に翔が来たことを教えた。

「ありがと^^」

愛莉は嬉しそうに翔の元へ駆け寄っていく。愛莉に会いに行くのももちろんだが、少しでも美月に会いたいからでもある。そんな翔の気持ちを知りもしない愛莉は、翔が自分に会いに来てくれていると信じていた。


・・・でも、何かが違っているのも感じていた。


「今日も帰り一緒で大丈夫?」

「ああ、雄哉達もいるけどいいよな。」

「うん^^」

「じゃあ、今日はそうだ、購買部の前の喫煙所の前で待っているよ。」

「??? ねえ、何でいつも場所が変わるの?」

「そのほうが新鮮だろ」

「そうかなぁ~。」


愛莉も、翔の仲間も毎回集まる場所が違うのは翔の気まぐれだと思っていた。本当の理由は・・・帰る前に一目でも、美月を見たいから、美月の現れそうな場所にしていた。

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