欲張りなすき・・・
翔は自分が美月を守ると決めた。

それからの3日間は美月に気がつかれないように同じ電車に乗って帰り、マンションに帰って行くのを見届けた。もちろんそれだけではない、バックに小さな穴を開け、中に小型のビデオを入れ、美月の周りにいる人を撮り続けた。

4日目の夕方、翔は前と同じように偶然を装い美月と一緒に帰ることにした。もちろんビデオをセットしてだ。


「先生♪また会った。嬉しいなあ。一緒してもいい?」

「高柳君^^どうぞ。」

「先生あそこの席あいてるよ座りなよ」

「でも一つだけよ。悪いわ。」

「先生は仕事で疲れているんだから気にすることないよ。」

「そう?じゃあ、座らせてもらうわ。」


翔は美月の前の吊皮につかまり、美月を隠すように立った。

「かばん重いでしょ。膝に乗せてもいいわよ。」

「いや、大丈夫」

そういうと翔は上着を脱いで、腰にシザーバックを下げ、かばんを網棚の上に乗せた。

(カメラの位置は・・・よし、大丈夫だ)

「今日の高柳君のTシャツ面白いプリントね。」

「自分で染めたんだ。」

「そうなの?でも何でそんな言葉なの?」

「ストーカー対策(笑)」

「面白いこと言うのね。」


何も知らない美月はただ笑っていた。Tシャツにはデザインされた文体でこう書かれていた。


『お前は誰だ!俺が守る!』
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