欲張りなすき・・・

守るのはおれだ!

果たしてビデオは成功したのだろうか。
翔はわざとストーカーがメモを入れやすいように、口の開いたシザーバックを使った。ストーカーが前回と同じようにメッセージを翔に渡したとしたら、その姿はビデオに写っているはずだ。

翔は美月を家の近くまで送った後、急いで雄哉との待ち合わせ場所に向かった。

「何か入っていたか?」

「ああ、これ」翔は1枚の紙切れを出した。

「今度は手帳の切れ端かぁ。だいぶ焦って書いたみたいだな。字が乱れている。」



『カノジョヲ マモルノハ ボクダ キエロ!』



「彼女を守るのは僕?どういうことだ?ずっと見ていたのだったら、翔と彼女の接点が少ないことぐらい気がつくはずだよな?」

「いや、電車ではなく、ここ3日先輩が家につくまでずっと後つけてビデオをまわしていたから、そのことを言っているのかもしれない。」

(畜生!何言ってやがる!先生を守るのはおれしかいないんだ!)翔は心の中で叫んだ。

「じゃあ、ビデオをみて同じ人物が写っていたら・・・そいつがストーカーって事だ!』

「そうだな。早速見ようぜ。おれの家に来るか?」

「ああ、そのつもりでちゃんとお泊りセットと手土産持ってきているぜ♪」

そういうと雄哉はかばんから、翔の家に持っていく菓子折りの袋を出して見せた。

「お前、最初からそのつもりだったんだ。」

雄哉のその一言で、翔は、いままで緊張で気が張っていた気持ちが緩むのがわかった。


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