欲張りなすき・・・
ビデオを見始めて2時間が経過していた。

「怪しいのはこの3人だな。翔、見覚えないか?」

「ないなあ。」

「そうだよな、どうせお前のことだから、美月先生以外、目に入っていなかっただろうしなあ。」

「はいはい、その通りです。」翔は開き直ってそう答えた。

「これ、プリントアウトして・・・いや携帯に画像送ってチェックできるようにしておこうぜ。」

「ああ」

翔は画像のサイズを携帯受信可能なように小さく直して、添付画像として携帯に転送した。

「どうする?後は自分でするか?」

「ああ、おれ一人で頑張ってみるわ。」

「そっか。危ないことはするなよ。何かあったらすぐに連絡しろよ。」

「ありがとう。お前っていいやつだな。」

「惚れたか?」

「ああ、惚れそうだよ(笑)」

「お礼といっちゃ何だけどよ、翔・・・」

「なんだ?」

「これ手伝ってくれよ~」

そういうと、雄哉はかばんの中からやりかけのソーイングの課題の山を出した。

「お前!!!!!ひょっとして、4月から1個も提出していないのか?」

「お願い翔君。おれ、洋裁縫い方全然理解できなくて(TT)」

翔はしょうがないなあって顔をして、ミシンを机の上にセットした。(こりゃ徹夜だな。)

< 25 / 61 >

この作品をシェア

pagetop