欲張りなすき・・・

今の彼女

「杉浦さん、帰ろうよ。」

愛莉の様子が心配な雄哉は、授業が終わるとすぐに愛莉のいるクラスへ迎えに行った。

「あっ今日は、高柳君は？」

美月が雄哉に話しかけた。

「友達から電話で呼び出されて、病院に行くってあわてて早退したよ。」

「そうなの。」

「翔が何か？美月先生」

「そうじゃなくてね。杉浦さんが・・・」

美月は愛莉の方へ視線を向けた。そこには泣き崩れている愛莉がいた。

「ずっと泣いているの。訳をきいても答えてくれなくて。」そういうと、美月は愛莉のそばへ歩いていった。

「相川君が迎えに来ているわよ。帰れる？」美月が優しく愛莉に話しかける。愛莉は小さくうなずいた。心配そうに愛莉の周りにいたクラスメイト達が愛莉の荷物を片付けている。それを手伝いながら美月は雄哉に、そばに来るように手招きした。

「大丈夫？先生も一緒に行こうか？」

「いや、俺が送っていきますから。」

「任せても大丈夫？」

「大丈夫です。俺に任せてください。」

「心配だから、送り届けたら電話かメールくれる？」

そういうと美月は雄哉の携帯を借りて、自分の携帯の番号を登録した。

「今日はずっと携帯つけているから、遅くなってもいいから。」

「わかりました。」

そういうと雄哉は、愛莉をつれって、学校を、後にした。

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表紙・目次

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