欲張りなすき・・・

3mのニアミス

「翔♪おはよ~~^^」

「あれ?愛莉?お前なぜここにいんの?会社どうした?4月から会社じゃないのか?」
翔は嬉しそうに返事をした。

「ああ~、会社つぶれちゃって・・・今から就職も大変だから、学校行くことにしたの。で、今日は入学式ってわけ」

「俺も専門の入学式だよ、今日。多いみたいだな、入学式」

「ふふ♪おんなじ学校だよ!」

「聞いてないよ!!!なんで俺に言わないんだよ!」翔は少し不機嫌に話すと

「教えようと思ったけど、翔携帯通じないから!なにしていたの?」

「ごめん、電池もコードもがたがきて充電できなかった。メールも電話も携帯にはいっていたから・・・」


嘘だ・・・実は翔はあの日から、渋谷であの人を探していた。
誰にも邪魔されたくなかったから、携帯はずっと切っていた。


「卒業アルバム見ればよかったじゃない」愛莉が不機嫌そうに言うと翔は

「愛莉こそ、家に電話すればよかったじゃないか・・・」

「だって~翔のお母さんと話できないよ~恥ずかしいよ」


愛莉との付き合いは長く中学から。
愛莉が彼女になったのは高校3年の冬。翔の部屋で。


「じゃあ、もう大丈夫なの?携帯?」

「ああ~今日新しい電池とコード届くか大丈夫」

「びっくりしないでね、私いっぱいメール入れているから(笑)」

「マジ~ストーカーかよ!!!!・・・でも嬉しいよ。また愛莉と一緒にいられるなんて」


(おれ、もう一度会いたくて探している人がいる。ごめん愛莉、少しさびしい思いさせちゃうかも知れないけど、許してくれるよな。)そう思うと翔は愛莉の手を握った。
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