欲張りなすき・・・
「俺と翔、私立の○○小学校に通っていたの知っている?」

「えっ?知らなかった。あそこって大学まである有名なところじゃない。」

「そうだよ。俺さあ、小さい頃から授業がきちんと受けていられなくて、ちょっとしたことで切れてパニックになっていたのだよ。今ではちゃんとした病名があるらしいけれど、あの頃はみんな怖がって誰も近寄らなかったんだよね。翔以外は。」

「・・・・・」

「そしたらみんなして、翔のことも乱暴者って言って、いじめるようになってさあ。」

「翔はどうしたの?」

「ああ、翔は俺と一緒にいたいからいるんだって負けなかったよ。」

「そう・・・」

「でさ、おれの家、破産して、いろいろあってさあ、途中で小学校公立に移って、翔とはもう会えないなあって思っていたら、あいつ、」

「翔がどうしたの?」

「中等部の進級やめて公立に来たんだよ。よくあいつの親父が許したと思うよ、実際。でさあ、俺、何考えているんだって言ったんだよね。」

「そしたら?」

「だってみんな友達じゃないから、、、だってさ。意味わかる?」

「さあ。」

「あいつの家って結構金持なの知っている?」

「ええ!!!知らない。だってそんな風に見えないよ。」

「だろ?あれ、わざとだ。」

「なんかさあ、友達だと思う人の後ろには必ず親がいるって言っていた。つまり、翔じゃなくて、翔の家と友達になりたい連中ばかりで、うんざりしたって、言うんだよね。」

「そうなの?」

「だからさ、自分の親の事知らない学校に来たんだよ。どうせ行くなら俺と一緒がいいってさ。変な奴だろ」

「・・・・」

< 50 / 61 >

この作品をシェア

pagetop