欲張りなすき・・・
「俺、かなりあの子にきらわれているよ・・・」

「なんで?会ってくれないのか?」

「いや、連絡すれば出てくるよ。それにホテルにだって」


毅はしまった!という顔をして愛莉を見た。


「ああ~気にするなよ。こいつはそういう話OKだから」


愛莉はちょっとムッとした。(別にOKな訳じゃなくて、翔の話に合わせていただけだよ)


「でもよ。会うたびに増えていいくんだ・・・」

「なにが?」

「リスカの痕・・・」


ちょっと言いにくそうに言った毅の言葉に愛莉は衝撃を覚えた。


「おい、大丈夫なのかよ。」

「何でこんなことするんだ!て怒ると、ただ泣いて謝るばかりで。その姿を見ると自分の今までしてきたことがこんな結果になっているって、でもおれ、気がつくと怒鳴っているんだよな。後ろめたいから優しくできないって言うのか・・・」

「じゃあ、別れれば?その方が毅も気が楽だろう。」

「オイオイ、こんな俺と付き合う女なんてそう滅多にいないぜ。」


「それもそうだな。おれ便所行くわ」


翔はそういうと、席を立ってファミレスのトイレに向かっていった。
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